生育スケルトンについて
「生育スケルトン」を使えば栽培記録を直観的に理解できるインフォグラフィックとして表示できます。 履歴の保存、比較も容易に行なえます。
利用は簡単です。テープメジャー等で計測できる簡易的な植物生体情報で作成できます。 生産者間での生育状態の比較や理想とする生育バランスを可視化することも可能です。
幅広い品目でご利用いただけますが、トマトでは週1回の「茎伸長」や「茎径」などの世界中で計測されている基本的な生育調査データを用いることが可能です。
世界中で行われているテープメジャーでのトマトの計測
描画される生育スケルトンの例
生産者間での生育バランスの比較も可能
生育評価の事例
生育スケルトンを使って、生育評価を行った事例を紹介します。
給水量が異なる2区の比較
少量給水区は、給水量を少なくして植物体に適度な水ストレスを与え、高糖度トマトを生産している区です。
目視でも茎径が細いことは分かります。
好適でないUI
数字のみで計測値を比較すると、項目毎にそれぞれ差異がありますが、どの項目の差異が生育状態の違いを特徴的に示しているのが直観的に分かりません。
つまり、これは生体情報の提供の仕方(UI)が不適切であるということになります。
直観的把握に好適なUI
生育スケルトンを用いることで生育状態を直観的に把握できるようになります。
生育スケルトン開始までの流れ
「御見積依頼書」に必要事項をご記入のうえご返送ください。
申込内容を確認後、弊社より「御見積書」を返送致します。
「御見積書」の内容を確認後、「発注書」をお送りください。
※決まった書式がないようでしたら、弊社の発注書の書式をお送り致しますのでご相談下さい。
「発注書」の内容を確認後、弊社より「請求書」を返送致します。
サービス利用開始日までに「請求書」に記載の弊社口座へ料金をご入金ください。
ご入金を確認後、サービスのテープメジャーと計測用紙をお送り致します。
サービス開始
※当日の流れは下記の「トマトでの生育スケルトン計測例」をご確認ください。
トマトでの生育スケルトン計測例
茎伸長[cm]
1週間(7日間)の間に茎がどれだけ伸びたかを測ります。 誘引ヒモ等に茎頂部(茎の一番高い箇所)を押し当て、油性マジックで誘引ヒモに茎頂部の位置をマーキングします。 前回計測時のマーキングとの変化量を1mm単位で計測します。 前回計測をした日との間隔が1週間では無かった場合は、1週間に換算(8日間の場合は「計測値÷8×7」)します。
茎径[cm]
茎頂から15cm下の茎の「周囲長」を1mm単位で測ります。 計測対象部が「節(葉や果房との接点)」である場合は、影響が小さいと見られる節の直上または直下の「周囲長」を計測してください。
開花段数[段]
茎頂に最も近い開花花房(花びらが目視でわずかでも確認できるもの)の段数(積算値)を記録します。
葉数[枚]
茎頂から50cm以内にある全長12cm以上(通路上から目視で容易に認識できる大きさ)の葉の枚数を数えます。
全葉数[枚]
全長12cm以上の全ての葉の枚数を数えます。
葉面積指標[cm]
茎頂から50cm以内にある全長12cm以上の葉で、①最上位の葉(上位葉)、②最下位の葉(下位葉)、③上位葉と下位葉の中間の葉(中位葉)の3つの葉を対象として、 全長と全幅を1cmの単位で計測してください。
パッと見の生育状態
作物を実際に見て感じた、現在の生育状態を以下の5つの選択肢から選んでください。
①大変満足、②まあまあ満足(悪くはない)、③わからない、④微妙(不満足)、⑤悪い
計測したデータをプラントデータにメールで送ってください
計測結果を生育調査記録用紙(Excelファイル)に入力し、サービス申し込み時にご案内するメールアドレスにお送りください。
※データ入力オプションをご利用の場合は、スマートフォン等を用いて「生育スケルトン記録用紙」の赤色点線の範囲を写真撮影し、 サービス申し込み時にご案内するメールアドレスにお送りください。
送られてきた計測データを元に作成した生育レポートをお送りします
お客様の計測データを元に「生育レポート」を作成します。生育レポート中の「生育スケルトン」は茎伸長速度は別色で表示され、茎径や葉面積指標は変化量を判別しやすくするために大小関係を強調表示しています。
生育スケルトンの概略図
返送されてくる生育レポートの例
こちらからレポートのデモページをご覧いただけます。
生育スケルトンの生体計測手順
よくあるご質問 (FAQ)
生体計測に関するもの
- Q1: 全枚数は何センチ以上の葉から1枚と数えますか。
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A1: 全長12cm以上の葉から1枚と数えて下さい。
この大きさは、「観察者が通路に立った状態で容易に観察できる大きさ」としております。 - Q2: 葉面積指数の上位葉はどの程度の大きさの葉でしょうか。
- A2: 茎頂に一番近い全長12cm以上の葉を上位葉としております。
- Q3: 調査株8株は必須なのでしょうか。明らかに生育が異なる株も対象になるのでしょうか。
- A3: 平均的な生育状態の8株を計測対象とします。 8株未満だと統計学的な信頼性が低下します。生育が悪い株は計測対象から外して下さい。 たとえば、計測対象株の茎頂を誤って折ってしまった場合などは、その株を計測対象株から除外し、7株を計測して下さい。 また、次週以降8株計測するために、他の平均的な生育状態の株を計測対象株に加えて下さい。
- Q4: テープメジャーですが推奨のものはありますか。
- A4: 推奨のテープメジャーをご契約時のサービスとしてお送り致しますので、そちらをご利用下さい。
- Q5: 調査株において普遍的な生育の遅延が見られるが大丈夫でしょうか。
- A5: 生長点付近に繰り返しタッチすることで成長(特に茎伸長)が抑えられる可能性があります。 愛媛大学での試験でも毎日の茎伸長計測を行ったところ生育不全が生じたことがございます(統計的なデータはございません)。 スケルトンの形状変化は「生育状態の経時変化」を捉えるものなので、週毎の変化については信頼できると考えられます。 ただし、計測株とその他の株との差をできるだけ小さくするためには、定期的に計測対象株を変えることをお薦めします。 1~2株ずつ入れ替えることも可能です。次週から新たに計測株とする株の茎頂位置を誘引ヒモにマークするだけで、滞りなく計測対象株の変更が可能です。 茎伸長以外のパラメータにつきましては、前週の計測株と別の株で計測しても問題無いパラメータでございます。
- Q6: 計測は何曜日に行うのがよいでしょうか。
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A6: 月もしくは火曜日を推奨しています。
月曜日の朝10時までに計測されたデータをお送りいただくと、火曜日の朝8時までに生育レポートを返信致します。 生育状態の変化を把握し、火・水・木・金曜日の4日間で、目標とする生育バランスに向けた対応が可能となります。 - Q7: 現場で精度よく効率よく調査を行うための調査株数等の方法について教えてください。
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A7: 計測されたデータのばらつきを確認する必要があります。
変動係数が30%を越えるような計測値は生育把握に利用できない(使い得ない計測値)と思って頂いても問題ありません。 変動係数が小さいながらも生育状態の変化にしたがって平均値が感度良く変化する計測項目を開発することは重要です。
調査株数は「まず8株」で検討してください。 - Q8: 対象作目はトマトだけでしょうか。
- A8: トマト以外もございます。栽培方式によりますが、ミニトマト・中玉トマト・キュウリ・ナス・ピーマンが可能です。
- Q9: 土耕栽培で支柱を使い斜め誘引で栽培していますが利用可能でしょうか?
- A9: 茎伸長などが計測できれば問題なくお使いいただけるかと存じます。
- Q10: 葉面積指標の全長と全幅の計測用紙記入欄に小数点が入っていないのですが、小数点以下は四捨五入したほうが良いですか?
- A10: 人が手で計測しており高い精度は期待できませんので、小数点以下は四捨五入していただいて構いません。
- Q11: 1区画につき何株計測したほうがよいのでしょうか。
- A11: 弊社では8株の計測を推奨しております。8株の平均値から生育スケルトンを作成しております。
- Q12: 全葉数を数える意味は何でしょうか?また、葉かきなどした場合はどのようにカウントしますか?
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A12: 全葉数は、葉面積指標LAI(植物葉の多い少ないを表す)を算出するために計測項目に入れております。
また、毎週葉かきが行われる前に全葉数を計測するなど毎週同じ条件で生体計測を行っていただくことが望ましいです。 - Q13: 開花位置にシールを貼付していますが、細い茎に巻く場合には緩めにシールを巻いた方がよいのでしょうか?
- A13: シールが落ちない程度に緩めに巻いていただくのが良いかと存じます。
生育レポートに関するもの
- Q1: 上中下位葉の全長・全幅のグラフは何を意味しているのでしょうか。
- A1: 大きさの変化です。今後も全長と全幅の比が一定であれば、全長または全幅のどちらの計測でも十分な生体情報を得られる可能性があります(生産者毎・品種毎に検証する必要があります)。
- Q2: 上中下位葉の葉面積を比較することで何がわかるのでしょうか。
- A2: 上位葉の大きさは、「1枚目」の定義が安定しているか否かの指標になります。 中位葉・下位葉は、生育状態の変化を表しています。 生育状態が悪くなる(樹勢が弱くなる・・と表現する場合が多いかと思います)と葉が小さくなる可能性があります。
- Q3: 栄養成長と生殖成長のバランス判断がしっくりきません。どのような状態がバランスが取れている(1.0)となるのでしょうか。
- A3: 茎の伸びと葉の出現数(節数)から栄養成長を数値化し、開花段の変化から生殖成長を数値化しています。 花房の形成と着花のみに注目した極めてシンプルな指標であるため、花数などが加味されておらず、従来の栄養成長・生殖成長の判断との不整合が生じる可能性はあります。 一方、「形成された果房は花を付けて収穫に至る」のが通常なので、1年間を通算すると「生殖/栄養=1」になるはずです。 ただし、週単位でみると、着花速度の変化や節形成速度の変化により、この値が変化します。 変化が大きすぎると植物体に大きな変化が生じていることを意味するので、生育が不安定な状態にあると判断できると考えています。 このような参考指標であるとお考え頂ければと存じます。
- Q4: 生育スケルトンを導入して、栽培管理の仕方がどのように変わったかを教えてください。
- A4: 週毎の生育状態の変化を把握し、目標とする生育バランスに向けて次週の環境制御戦略を策定できるようになります。 翌週には、その結果の良否を確認することができます。
- Q5: 生育スケルトンの点数づけは、どのように採点しているのでしょうか?
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A5: 理想個体(計測データに基づいて形成されるものです。生育状態が「悪くない」と目視で判断された生育データの平均値と標準偏差で構成されています)からの乖離の程度を求めています。
理想個体と同じ値であれば、偏差値が50となり100点(満点)です。 - Q6: 低段密植栽培でも利用できますか?
- A6: ご利用いただくことは可能です。 しかしながら、弊社の生育スケルトンサービスは、長期多段栽培されているトマトの生育状態把握を目的として開発されておりますので、 低段密植への応用は、基本的にユーザー様の個別のご判断でご活用頂くことになります。
- Q7: 1週間に1度の手計測で生育診断を行い、生育バランス評価から指示されて栽培管理する項目はどのような点でしょうか。
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A7: このようなアドバイスが表示されます。(樹勢が強いと判断される場合の例)
アドバイスの例
- Q8: 品種により樹勢の強さや節間伸長に差がありますが、生育スケルトンによる生育診断は品種別に行っていますか。
- A8: 品種毎に理想個体を構築します。 理想個体は対象とする品種について、累計(複数の生産者を合計してもOKです)で「生育状態が悪く無いと判断された」3週分のデータがあれば構築できます。
契約に関するもの
- Q1: 料金体系はどうなっていますか?
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A1: ご契約期間と価格は以下の通りです。
契約期間 価格(月額・区画毎) 3~5ヶ月 ¥3,000(税抜) 6~8ヶ月 ¥2,500(税抜) 9ヶ月~ ¥2,000(税抜) 追加1ヶ月毎 ¥3,500(税抜) データ入力オプション
(紙面入力フォームに手書きして頂いた画像をご送付頂いた後、当社でシステムに入力いたします。)¥2,000(税抜)
※支払い期限はサービス開始月の前月の末日です。
※ご自身での入力には現在のところ、パソコン及びMicrosoft Excelが必要となります。 -
Q2: 不測の事態で栽培(生体計測)が不能になった時の料金について
台風被害で栽培が不可能になった場合、返金は可能ですか? - A2: 申し訳ありませんが返金対応を承ることができません。 自然災害等の特別な場合は、状況によって利用の一時停止も検討できますので、ご相談ください。
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Q3: 契約期間中の品目・品種変更について(例えばトマト→ナス)
一年間契約で元々はトマトを一年間レポートしてもらうつもりでしたが、残りの半年をナスに変更する事は可能でしょうか? また、品種の変更は可能でしょうか? - A3: 契約はスケルトン(品目・品種)毎となります。そのため、品目・品種を変更する際は、新たに契約を結んでいただく必要があります。
- Q4: 契約期間よりも早く作が終わってしまう場合は、返金等行うのか。
- A4: 契約期間に応じてディスカウントを行う料金体系のため、申し訳ありませんが返金対応を承ることができません。
- Q5: 契約期間よりも遅く作が終わってしまう場合は、どうすればよいのか。
- A5: 単月更新の場合、3,500円/月で契約更新を承ります。
- Q6: トマトの生育スケルトンを申し込もうと思うのですがいつ頃から始めるのが良いのでしょうか?
- A6: トマトの場合、茎頂から50cmの範囲を計測して生育スケルトンを作成致しますので、植物体が50cm以上大きくなったタイミングからサービスを開始していただくのが望ましいです。
- Q7: シーズン終了後や年度末の支払いが可能かどうか教えてください。
- A7: 一括先払いが基本ですが、難しい場合はご相談ください。
決済に関するもの
- Q1: 決済方法はどのようなものがありますか?
- A1: 現在は、前払いの銀行振込のみとなります。今後、決済方法を充実させる予定です。
運用に関するもの
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Q1: 年末年始の運用について
年末年始(12/31・1/1・1/2・1/3)のレポート作成は通常通りでしょうか? - A1: 年末年始など弊社指定の休業日については、翌営業日以降のレポート提供となります。データの提出については年間を通して受付可能です。