クロロフィル蛍光計測

Chl fluorescence

クロロフィル蛍光計測について

クロロフィル蛍光とは、植物が吸収した光エネルギーのうちで光合成に用いられなかった余った光エネルギーが、赤色光として植物から発せられたものです。

クロロフィル蛍光を計測中の写真

クロロフィル蛍光を計測中の写真

弊社は、このクロロフィル蛍光を画像計測することで植物のストレス状態を数値評価する技術を開発し、日本・米国・オランダで特許を得ております。

クロロフィル蛍光を正確に計測することで、植物体に触ること無く光合成反応系の状態を早期に評価することができます。

クロロフィル蛍光計測による植物診断の仕組み

クロロフィル蛍光計測による植物診断の仕組み

クロロフィル蛍光計測は様々な圃場で利用可能ですが、植物工場での自動計測システムとしては井関農機に特許をライセンスすることで、世界初の植物診断専用農機として市販されている計測ロボットを利用できます。

このロボットを用いることで、1ha規模の施設内での光合成機能の平面分布や日々のストレス程度の変化を正確に把握できるだけでなく、不可視の病虫害の検知も可能になります。

ロボット写真1
ロボット写真

クロロフィル蛍光画像計測ロボットの写真

クロロフィル蛍光計測でできること

不可視ストレスの早期検知

クロロフィル蛍光計測によって、日々の植物のストレス状態を正確に把握することで、人間では気づくことが出来ないような わずかな環境ストレスや病虫害でも検知することが可能となり、それが環境制御や栽培管理への早期対応に繋がります。

不可視ストレスの早期検知写真

環境状況と光合成機能の相関解析

環境応答性の高いクロロフィル蛍光計測と環境センシングデータを用いて相関解析を行うことで、 これまで不可能であった環境要因と成育の関係を見える化することが可能になります。

可視障害が発生する前に対策を講ずることで、収量低減に繋がる栽培管理ミスの影響を回避することができます。

相関解析
2~3日前の日積算日射量との相関

日単位の高精度成長把握

往路で光合成機能評価を目的とした撮影を行い、復路で連続的なクロロフィル蛍光画像撮影を行うことでクロロフィル蛍光パノラマ画像が取得できます。 クロロフィル蛍光パノラマ画像を用いることで高分解能な植物生育を把握することができ、それを毎日の環境調節に反映することが可能となります。

クロロフィル蛍光パノラマ画像

個体群をスキャンして得られたクロロフィル蛍光パノラマ画像を解析することで、茎伸長・葉面積・茎径などの生長指標を日単位で取得します。

日単位の生長データの取得は、環境制御のあり方を大きく変えます。 従来の1週間毎の計測では把握することができない、毎日のダイナミックな植物生育の変化を捉えることができるからです。

手前の計測対象個体群の抽出が容易
カラー画像計測では解析が困難

なお、カラー画像計測で同様の計測を行おうとすると、上の画像のように、奥にある個体が同時に撮影されてしまうため、 画像解析が困難ですが、クロロフィル蛍光計測では、計測対象個体の抽出が容易です。

栽培管理作業の評価

クロロフィル蛍光パノラマ画像を用いて、株の高さ・株間のバラツキを評価し、「つる下ろし」や「ずらし」の正確性を数値評価できます。

また、「摘葉(葉かき)」の位置や面積などについての数値評価も可能です。

つる下ろし・ずらし作業の評価

つる下ろし・ずらし作業の評価 イメージ図

摘葉(葉かき)作業の評価

摘葉(葉かき)作業の評価 イメージ図

デモンストレーション動画

クロロフィル蛍光画像計測ロボットの動作をご覧いただける動画です。

実際は夜間に計測を行いますが、こちらは昼間のデモンストレーション計測の様子です。

クロロフィル蛍光画像計測ロボット

よくあるご質問 (FAQ)

Q1: 測定機器を導入して、栽培管理の仕方がどのように変わったかを教えてください。
A1: 毎日の生育状態の変化を正確に把握し、翌日の環境制御設定値の変更を行うことができます。
Q2: 施設内の植物個体1個体のみのクロロフィル蛍光を測定することで、施設内全体の環境評価を行うということなのでしょうか?
それとも、複数の植物個体を計測されるのでしょうか?

A2: クロロフィル蛍光については、植物工場内を移動できるロボット(自走式[開発済]・つり下げ式[開発中]など)に搭載して使用することを前提としています。

植物工場内を移動しながら多数個体を対象とした画像計測を行い、統計的に信頼できる標本数(正規分布を確認できる程の大標本)を確保することで、 個体群(母集団)の平均値を高精度に把握します。

私たちの事業についてご関心をお持ちの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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